東近江市で相続手続きは何から始める?書類・期限・相談先の整理
親が亡くなり、葬儀や日々の生活に追われる中で、「相続は何から始めればよいのだろう」と戸惑う方は少なくありません。相続には市役所で行う手続きのほか、金融機関、家庭裁判所、法務局、税務署に関係する手続きがあります。すべてを一度に進める必要はありませんが、期限のあるものは先に確認することが大切です。
最初にすることは、①死亡届など市役所の手続き状況、②遺言書の有無、③借入れを含む財産の概況を確認することです。 そのうえで相続人と財産を調べ、手続きごとに必要な書類を集めます。亡くなった方の住所地、加入していた制度、財産の種類によって必要な手続きは変わります。
| いつ確認するか | 主な手続き・判断 | 対象と期限の考え方 |
|---|---|---|
| まず確認 | 死亡届、市の保険・年金などの手続き | 死亡届は、原則として死亡の事実を知った日から7日以内。提出済みか確認します。東近江市の案内 |
| 早い段階 | 遺言書、預貯金、不動産、借入れの有無 | 相続放棄を検討する可能性があれば、財産だけでなく債務も早めに確認します。 |
| 3か月以内が原則 | 相続放棄をするか判断 | 各相続人が「自己のために相続の開始があったことを知ったとき」から数えます。裁判所の案内 |
| 該当する場合、4か月以内 | 亡くなった方の準確定申告 | 相続の開始があったことを知った日の翌日から数えます。国税庁の案内 |
| 該当する場合、別途4か月 | 東近江市の固定資産現所有者申告 | 相続登記が終わっていない場合などに確認。市が示す期限は、死亡の事実を知った日の翌日から4か月を経過した日までです。東近江市の案内 |
| 申告が必要な場合、10か月以内 | 相続税の申告・納税 | 亡くなったことを知った日の翌日から数えます。国税庁の案内 |
| 不動産を取得した場合 | 相続登記 | 不動産を相続で取得したことを知った日から原則3年以内。2024年4月より前に知っていた未登記の不動産には経過措置があります。法務省の案内 |
この表は全員に同じ手続きが必要という意味ではありません。まずご家庭に当てはまる行を選び、起算日と提出先を確認してください。何を調べ、どの書類を準備するか迷う場合は、Smile法務事務所の相続手続きの流れも参考にしてください。同事務所は相談内容に応じて、依頼する業務の範囲を整理しています。

最初の数日で確認したい三つのこと
1.市役所で必要な手続きが済んでいるか
死亡届は葬儀の準備と並行して提出されることもあります。ご家族の誰が対応したかを確認し、未提出であれば提出先と期限を確かめましょう。東近江市は、死亡届に死亡診断書または死体検案書が必要と案内しています。提出後は返却されないため、写しが必要なら提出前に確認してください。東近江市「死亡届」
市役所での手続きは死亡届だけではありません。亡くなった方が加入していた健康保険や年金、介護保険、利用していた福祉制度、所有していた不動産などによって、必要な届出が異なります。東近江市のおくやみハンドブックには、市役所での手続きと担当課を確認できるチェックリストがあります。亡くなった方の状況に当てはまる項目へ印を付けるところから始めると整理しやすくなります。
2.遺言書があるか
遺言書の有無は、その後の書類や財産の引継ぎ方に関わります。自宅の書類、貸金庫、公正証書遺言の作成に関する資料など、手掛かりを家族で確認しましょう。遺言書が見つかったら、すぐに遺産分割協議を始める前に、遺言書の種類と必要な手続きを確かめます。
自宅などで保管されていた自筆証書遺言は、原則として家庭裁判所での「検認」が必要です。検認は遺言書の状態を確認する手続きで、内容が有効だと保証するものではありません。封印された遺言書は家庭裁判所で開封します。一方、公正証書遺言と、法務局で保管されている自筆証書遺言に関する遺言書情報証明書には検認が不要です。裁判所「遺言書の検認」
3.借入れや保証を含め、財産の概況をつかむ
通帳や郵便物から預貯金、証券、不動産、生命保険を探すと同時に、借入れ、ローン、未払い金、保証に関する書類も確認してください。財産の全体像が分からない段階では、プラスの財産だけを見て手続きの方針を決めないことが大切です。
借金が多い可能性があるなど、相続放棄を考える場合は早めに家庭裁判所や弁護士へ相談してください。相続放棄は、相続人が家庭裁判所へ申述する手続きです。調査しても判断材料がそろわないときは、期間内に熟慮期間の伸長を申し立てる制度もあります。裁判所「相続放棄」/期間の伸長

次に、相続人と財産を調べる
戸籍で「誰が相続人か」を確かめる
相続人の確認は、親族の記憶だけで済ませず、戸籍で行います。法定相続人を確定する手続きでは、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍・除籍・改製原戸籍などを順にたどり、必要に応じて相続人側の戸籍も確認します。再婚、養子縁組、先に亡くなった子がいる場合などは、調べる範囲が広がります。どの戸籍を提出するかは手続きによって異なります。法務局「法定相続情報証明制度」
本籍地が複数ある場合、本人・配偶者・直系親族などが最寄りの市区町村窓口で対象の戸籍証明書を請求できる「広域交付」が役立つことがあります。ただし、広域交付は代理人や郵送による請求には対応していません。広域交付の対象外の戸籍もあるため、市区町村の窓口で確認してください。法務省の案内
戸籍を何通集めればよいか分からない、平日に窓口へ行きにくい場合は、Smile法務事務所の相続人調査・戸籍収集サポートのように、その部分だけを依頼する方法もあります。広域交付を代理で利用するという意味ではなく、依頼の範囲と取得方法を確認したうえで進める支援です。
財産と債務を一覧にする
通帳、証券会社からの通知、固定資産税の納税通知書、登記関係書類、保険証券、借入れの契約書などを集め、分かる範囲で一覧にします。「どこに何がありそうか」「確認済みか」「誰に問い合わせるか」を分けて記録すると、調べ漏れを減らせます。金額がまだ分からない財産は、空欄や「要確認」のままで構いません。
不動産については、固定資産税の資料に載る物件と登記の内容を照合する必要があります。預貯金も金融機関ごとに口座や手続きを確認します。生命保険は契約内容により扱いが異なるため、証券や保険会社の案内を確かめてください。相続財産の調査と一覧化は、相続放棄の判断、相続人同士の話合い、税務の要否を検討する土台になります。
相続人が複数いる場合、財産の分け方は相続人の皆様が話し合って決めます。遺言書の内容や財産の状況によっては、遺産分割協議が必要ない場合もあります。話合いで合意した内容を書面にする場合は、相続人を確認したうえで遺産分割協議書などを準備します。意見が対立しているときの交渉や紛争対応は、弁護士へ相談してください。日本行政書士会連合会の業務案内
必要書類は「共通の準備」と「提出先ごとの追加」に分ける
相続に共通する一枚の申請書があるわけではありません。まず手元の資料を整理し、手続き先が決まってから必要な証明書を確認します。
| 準備する資料 | 使う場面の例 | 確認すること |
|---|---|---|
| 亡くなった方と相続人の戸籍関係書類 | 相続人の確認、金融機関、不動産、法定相続情報一覧図など | 必要な期間・続柄・原本提出の扱い |
| 亡くなった方の住所を確認できる書類 | 相続放棄、登記など | 住民票除票や戸籍附票のどちらが必要か |
| 遺言書 | 遺言に基づく手続き | 種類、検認の要否、提出先の指定 |
| 財産の資料 | 預貯金・証券・不動産等の調査 | 口座・支店・物件・契約番号 |
| 相続人の本人確認書類・印鑑証明書等 | 金融機関、遺産分割後の手続きなど | 誰のものが必要か、発行日の条件 |
| 遺産分割協議書等 | 相続人の合意に基づく手続き | その手続きに書面が必要か、提出先の書式 |
たとえば預貯金の払戻しでは、遺言書の有無、遺産分割の方法、金融機関の取扱いにより書類が変わります。先に銀行へ連絡し、必要書類と専用書式を確認すると、取り直しを防ぎやすくなります。滋賀銀行の相続案内も、同行で手続きする場合の確認先になります。他の金融機関にはそれぞれの案内を確認してください。
戸籍の束を複数の手続きで使う場合は、法務局の「法定相続情報証明制度」を利用する選択肢もあります。戸籍などを基に作成した一覧図を法務局へ申し出て、認証文付きの写しを受け取る制度です。金融機関などで利用できる場合がありますが、すべての提出書類に代わるわけではありません。法務局の制度案内
期限は「何の日から数えるか」まで確認する
期限の数字だけを覚えると、判断を誤りやすくなります。相続放棄は、各相続人が自分のために相続が始まったことを知ったときから原則3か月以内です。亡くなった日と必ず同じとは限りません。また、単に「遺産を受け取らない」と家族に伝えることと、家庭裁判所での相続放棄は別のものです。借入れが見つかった場合や判断に迷う場合は、期限を自分だけで決めず、早めに確認してください。裁判所の案内
亡くなった方に所得税の申告義務がある場合の準確定申告は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内です。相続税の申告・納税が必要な場合は、死亡を知った日の翌日から10か月以内です。どちらも全員に必要な申告ではありません。申告の要否や税額の判断は税理士へ相談してください。国税庁「準確定申告」/「相続税の申告と納税」
不動産を相続で取得した場合、相続登記の申請義務は、相続の開始とその不動産の所有権を取得したことを知った日から原則3年以内です。2024年4月1日より前に取得を知っていた未登記の不動産は、原則として2027年3月31日までが経過措置の期限です。遺産分割が成立した場合には、その成立から3年以内に分割内容を反映した登記を申請する義務もあります。事情によって扱いが異なるため、不動産がある方は司法書士または法務局へ確認してください。法務省の案内
東近江市では、どこに相談する?
市役所の手続きは、亡くなった方の加入制度や所有財産に応じて担当課が分かれます。東近江市のおくやみハンドブックで該当項目を確認してください。東近江市に固定資産があり、相続登記が終わっていない場合は、資産税課への固定資産現所有者申告も確認します。この申告をしても登記簿の名義は変わりません。東近江市の固定資産申告案内
不動産の登記は法務局の手続きです。東近江市の不動産登記は、大津地方法務局東近江出張所の管轄です。登記手続案内は予約制と案内されています。登記申請を依頼する場合は司法書士へ相談します。東近江出張所の案内
相続放棄は、亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所への申述です。相続人が東近江市に住んでいるだけで提出先が決まるわけではありません。裁判所の案内
相談先を選びたい方には、東近江市の司法書士による登記・相続相談もあります。市の案内では対象は東近江市民で、電話予約制です。実施日と予約条件は利用前に確認してください。東近江市の相談案内
自分で進める部分と、専門家に頼む部分を分ける
手元の通帳や郵便物を集める、家族で遺言書の手掛かりを確認する、市のチェックリストに印を付けるといった作業は、ご自身でも始められます。一方、戸籍が複数の市区町村にまたがる、相続人の範囲が分からない、財産の種類が多い、平日に金融機関へ行く時間が取れない場合は、必要な部分の支援を検討できます。
Smile法務事務所は、相続人調査・戸籍収集、相続財産の基本調査、合意済みの遺産分割協議書作成、金融機関の相続手続き支援などを案内しています。書類作成だけ、戸籍収集だけといった個別依頼と、複数の業務をまとめたプランがあります。料金は業務の範囲、相続人の人数、財産や金融機関の件数などで変わり、証明書取得費用などの実費も別途必要です。依頼前に、何が含まれ、何が追加になるかを料金ページのパック比較で確認してください。
行政書士が相続人の代わりに財産の分け方を交渉したり、紛争を解決したりすることはできません。相続登記の申請は司法書士、相続税の申告や個別の税務相談は税理士、相続人間の対立や交渉は弁護士へ相談する分担が必要です。Smile法務事務所も、この業務範囲を相続・遺言ページに明示しています。
相談前のチェックリスト
- □ 死亡届など、すでに済んだ市役所の手続きを確認した
- □ 遺言書の有無と保管場所の手掛かりを確認した
- □ 通帳・不動産・保険・借入れの資料を一か所に集めた
- □ 相続人になりそうな方の氏名と連絡先を整理した
- □ 期限の近い手続きがないか確認した
- □ 自分で進めたい部分と、手伝いが必要な部分を分けた
書類が全部そろっていなくても、分かる範囲を整理すれば次の相談につながります。問い合わせる際は、亡くなった方の住所地、亡くなった時期、遺言書や不動産・借入れの有無、困っている手続きを伝えると、確認すべき点を整理しやすくなります。
よくある質問
Q.相続の手続きは、すべて東近江市役所でできますか?
いいえ。市役所では保険・年金・固定資産などに関する手続きがありますが、預貯金は金融機関、相続放棄は家庭裁判所、不動産の相続登記は法務局、税の申告は税務署に関係します。亡くなった方の住所地や財産の所在地によっても窓口が変わります。まずは市のおくやみハンドブックで市の手続きを分けて確認してください。
Q.戸籍はどこまで集めればよいですか?
法定相続人を確認する際は、一般に亡くなった方の出生から死亡までをたどる戸籍などが基本になります。ただし、親族関係や提出先によって追加書類が必要です。手続き先の案内を確認し、必要な範囲を決めてから集めると無駄を抑えられます。法務局の案内
Q.遺産分割協議書は必ず作りますか?
遺言書の内容や財産、提出先の取扱いによって異なります。相続人全員で分け方を話し合い、その合意内容を手続きに使う書面として残す場合には、遺産分割協議書などを作成します。誰が相続人かを確認する前に署名を急がず、金融機関や登記で必要な形式も確認しましょう。
Q.銀行の相続手続きだけ依頼できますか?
Smile法務事務所は、金融機関の相続届出書類の作成のみと、書類提出・完了確認までを含む支援を別の業務として案内しています。ただし、金融機関の取扱いと代理権の範囲によって対応内容は変わります。口座のある金融機関と、どこまで任せたいかを伝えて確認してください。事務所の料金・業務範囲
Q.借金があるか分からないまま、相続放棄の3か月が近づいています。どうすればよいですか?
まず、いつ自分のために相続が始まったと知ったかを確認してください。調査しても承認か放棄か判断できない場合には、家庭裁判所に期間の伸長を申し立てる制度があります。期限や個別事情が関わるため、早めに家庭裁判所または弁護士へ相談してください。裁判所「期間の伸長」
何から手を付けるか整理したい方、戸籍収集や書類作成、金融機関の手続きについて支援が必要な方は、行政書士Smile法務事務所のお問い合わせページから現在の状況をお知らせください。ご自身で進める部分と依頼する部分を分け、業務範囲と費用を確認してから進められます。
制度・窓口情報の確認日:2026年10月29日。手続きの要否や必要書類は個別の事情と提出先の取扱いによって異なります。
